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(略称:竹筬研究会)
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新年度に入り5ヶ月、新入会された会員の岐阜県瑞穂市生津での研修も順調に進んでおります。また、研究会の譲れることを前提にした「製作・普及部」の技術レベルですが、唯一の筬羽引きの職人さん、90歳を越えられた豊田義雄さんのご自宅に伺い、筬羽の検査・道具・製作上の注意点・お話と、今しかお聞きできない貴重で大切なお話を、帰りの時間を気にしながら、特別研修をしていただいております。筬羽引きの職人さんには千○(着尺幅1尺5分で1000本の経糸を通す時に使用する竹筬と竹筬羽の名称)を標準に竹筬羽を引かれていた豊田陸雄さん、千四を標準に引かれていた義雄さん、六○から八○ぐらいの木綿用のあらい竹筬羽を引かれていた職人さんがおられ、その筬羽を旧・日本竹筬工業の組み工程(機械組み)の職人さん・豊田亨さん、大橋滋さんにより竹筬羽の良否も含めて、用途により選別し製作されていました。竹筬羽は八○より千○、千○より千四と薄くなるほど精度が要求され、難しくなります。千四を引かれ、人の技の五倍以上効率が良く、精度の高い筬羽が機械の調整を完璧にしておけば、二つ割り・幅取り・荒引き・一番大切な二番引き・皮引きまでの工程が出来る各機械を自分で設計図を引き、ご夫婦で使いこなされていた豊田義雄さん、ご自身で最後の上引き(仕上げ引き)は銑と正直台で手引きされていた職人さん、義雄さんのご助言は本当に今、貴重な生きたお話です。この貴重な機械は残念なことに今はないのですが、その再興も是非に進めるよう助言いただいております。「製作・普及部」の竹筬は角浦節子さんの竹筬羽使用の竹筬が相楽木綿(京都)に納まりましたし、追加分も製作中。森田英史さんの竹筬羽使用の竹筬は沖縄展で展示予定、福岡の甲木恵都子さんが教えておられる染色教室でご購入、試織を兼ねて使用いただきます。西尾一三さんの竹筬羽じゃ久留米絣の松枝哲哉・小夜子さん用に再度完璧をめざして現在努力中、併せて千○以下の木綿用の竹筬羽も製作中で、近い将来、ご購入いただける竹筬が製作できると思います。一歩ずつですが竹筬製作は前進しておりますので、この偶数月の広告欄や研究会のホームページを今後もご覧下さい。


(2009.08.21 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2009年10月号より
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 20年度の総会も終わり、21年度の活動が始まりました。助成金は300万円の内定があり、「試作竹筬による織布展」の沖縄巡回が下記のように決まりました。第一回の岐阜県穂積町(現・瑞穂市)での作品展に、現在試織中の染織家の方々の作品を加えた作品展になります。第一回で羽割れを含む問題のあった試作竹筬は貴重な反省を含む勉強材料の資料として保存いたします。幸いその原因も豊田義雄さんに指摘していただき、当り前のこと、二番引きの大切さ、皮を限りなく薄く取ることの大切さを徹底していこうと思います。陸雄さんが亡くなり、義雄さんが研修に参加できなくなった状態で、会員自身が良いと判断し、製作した竹筬が2反目の試織で羽割れという結果が1枚でも出た以上、その染織家の方に対してはもちろんのこと、会の反省も含め原点に戻り、精度を高める日々の努力をしなくてはならないと強く思います。自分のした仕事で問題が生じれば、その信用回復のため、さらに研修努力を重ね、より精度の高い仕事をめざす、そんな当り前の気持ちのある方のみが、自分用ではなく、他の人に譲れる竹筬を作る資格があるとの考えで、今後の研修は前進いたします。そのことはすでに始めており、羽切り前の上引きした筬羽を原点に戻り、義雄さんに検査していただき、良いといわれた筬羽のみ、試織用や譲る竹筬として出していきます。竹筬研究会には本年より研修部門に加え、染織家の皆様が一番希望されている実際に竹筬を譲ることを前提にした「製作・普及部門」ができ、もうこの部門も実際に活動を始めています。会員の西尾一三さんと森田英史さんが引かれた筬羽を義雄さんが検査、その検査済みの筬羽を西尾さんと筬熊リードの小嶋孝幸さんが仕上げ、組みは特別会員の大橋滋さんと小嶋さんで今後の竹筬研究会の竹筬は製作し、試織していただける方、正会員、賛助会員という順番で試織を重ねながら竹筬普及の範囲を広げ、竹筬復活につなげていきたいと思います。沖縄展では「製作・普及部門」製作の譲れる竹筬が展示できればと考えております。研修部門におきましては角浦節子さん・西尾一三さん・大橋滋さんによる新入会された会員を含めた研修が瑞穂市生津外宮前町1-120の新しい研修作業所で始まっており、この作業所は上下で53坪の広さ、宿泊も10名程度叶ですので、近い将来、竹筬の資料・染織道具類・糸車・ねん糸機等の動く資料館として活用の予定で、そのお知らせはまた染織情報αのインフォメーション欄をご注目下さい。


第二回試作竹筬による織布展・沖縄
2009年9月25日(金)〜27日(日)
沖縄県立博物館・美術館一階 講座室



(2009.6.23 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2009年8月号より


 全国で唯一の竹筬羽の生産地で最後の竹筬産地であった岐阜県穂積町(現・瑞穂市)で3月13日から15日まで開催された「試作竹筬による織布展」は会員の協力と努力、そして竹筬を持っておられる染織家、織物愛好家、地元瑞穂市民の方々、合わせて3日間で約800人の来場があり、大きな成果を持って終えることが出来ました。また、新規加入もいただき、21年度の次なる目標。、竹筬復活への確かな一歩になりました。試織作品の結果は約9割の方々の竹筬は問題がなく、3作目4作目と経過を重ねていただく結果待ち、また1割4名の方達からは試織していて少し気になったところがあったとのご意見、芭蕉布の平良さんよりは仮筬では使用していただけましたが試織には不安とのご意見もあり、クリアーすべき点はまだあります。ただ、試織結果の良かった方達からは竹筬のご注文があり、21年度より譲ることも含めた研究会の体制作りをいたします。最初はまだ試織をお願いしつつの竹筬販売という状態ではありますが、より研修を重ね宮古上布・越後上布・小千谷縮・久留米絣・大島紬といったより精度を要求される織物にも対応できる竹筬をめざしたいと思います。大成功の内に終わりました今回の作品展、反省すべき点もありました。当研究会としては初めての作品展であり、予想外の来客者で毎日が大変だったのですが、また多くの会員が遠方よりの人が多く、帰りの時間の制限もあり、終了後の時間に約40点もの作品と試作竹筬が並ぶ貴重な機会の会場で、一度も会員同士の研修勉強会がもてなかったこと、残念な思いがいたしました。4月以降の研修では何回かは、提供試織布と竹筬(現物は各自に返却)についての勉強会を実施したいと思います。どの試織布も貴重な参考裂で会員以外の方の研修見学も大歓迎ですので、是非研修会場へお越し下さい。また21年度も申請していました助成金の内定通知をいただき「試作竹筬による織布展」の東京と沖縄での開催が決定いたしました。また今回の作品展をDVDに編集しており、無料貸出しを予定しております。どうぞ染織情報αのこの広告欄、あるいはインフォメーション欄をご注目下さい。今回の作品展、本当に多くの方達、また遠方より来ていただきありがとうございました。より精度の高い竹筬を目指し研修を重ねて行きたいと思います。


(2009.4.16 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2009年6月号より


 3月13日〜15日までの竹筬展。依頼しておりました試織布と試作竹筬が、順次送られてきています。9割は合格、1割は不安でしょうか。喜如嘉の芭蕉布織物工房では仮筬での使用では問題は生じませんでしたが、本織りでは不安というご返事。再度研究会は精度の高い竹筬に挑戦したいと思います。筬の良否は使用者(織物家)の糸・織物・文様等により職人の竹筬でも否になる場合もあり、またプロでない人の完成度の低い竹筬でも良いという場合もあり、その判断は竹筬の形を見て100%わかるものではなく、織ってみて、結果が良なら100%良、途中で経糸を切らなくてはいけない結果や織物に筬目等の欠点がでた時は100%否ということになります。ただ筬目欠点のでる竹筬であっても、手績み麻糸・手紡ぎ木綿糸・真綿紬糸等を経糸に使用する場合や密度のあらい織物なら、まず問題はないと思います。ただ紋様が十字亀甲等の点で表現する織物の場合は否という事で、これからの竹筬は、今までの織産地のプロと竹筬製作のプロとのいつも通りの規格では捉えきれない別の基準での竹筬作りになると思います。染織家の方はご自分の特に経糸の事と竹筬の製作上の事、また竹筬製作者は織物の事、糸の事等を勉強し、十分理解した上で竹筬製作をしなければいけないと思います。ご指導いただいている理事でもある筬組み(機械組み)職人・大橋滋さんのご指摘もあり、まだ甦っていない(売り物としての精度)という事で「甦らせるぞ・竹筬」になりました。今回の竹筬と織布展が成功の内に終わりましたら、21年度は東京展と沖縄展を計画しており、毎年竹筬研究会の成果と織物結果を見ていただく巡回展にしていければと考えております。どうぞまた、ご意見と情報をお願いいたします。

 最近、豊田義雄さんによる機械引きによる作業風景のビデオテープが見つかり、その作業内容を義雄さんに解説いただきました。竹材の二つ割り工程・荒引きと幅取りが1回で出来る工程・一番重要な二番引きと皮引きはそれぞれ専用の機械の計4台の機械工程です。筬羽の羽切り前の仕上げ引き(上引き)だけは筬羽検査を兼ね、銑による手引きでした。竹材の乾燥手順も今までお聞きし実践した方法とは全く逆の発想で、仕上げ引き後の薄い竹ベラでの3日程度の乾燥、唯一竹筬羽作りを機械化された義雄さんの改革心と改新的技術に感服いたしました。我々もこの義雄さんの考え方や機械化にも力を入れないといけないと思います。義雄さんの映像と生の声の解説ビデオは貴重で大切な財産だと思います。

 当研究会の当初よりの技術の先生、豊田陸雄さんが、今日、亡くなられました。ご冥福をお祈りすると共に、その技術を次に伝え竹筬を必ず復活させたいと思います。


(2009.2.24 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2009年4月号より




11月18日、今里哲久さん、西尾一三さん、角浦節子さん、下村輝の4人で新潟県小千谷の織物組合へ出発、重要無形文化財・越後上布・小千谷縮布技術保存協会の方達と、加えて平成5年に廃業された地元の筬屋・伊部敏雄さんを交えて調査及び我々の実技報告、そして意見交換いたしました。無形文化財指定の織物は地機で竹筬を使用、その竹筬は両産地の織物紋様合せの精度の考慮からでしょうか、高機用の精度の高い岐阜県祖父江の竹筬と同じです。両産地に「からむし(苧麻)」を供給している福島県昭和村では、地機で昔ながらの地機用竹筬を今でも使用していることを考えますと、筬はその地の織物によって筬の種類・精度が違っています。小千谷と越後の苧麻の糸績み方法は同じ、しかし宮古や石垣とは少し違っていました。竹筬は糸の特徴、すなわち結び方も含めた糸作り、より掛け、ノリ付け、地機か高機、精度も織物産地により違います。それに合わせて竹筬を製作してこそ、本当に応えた事になると思います。小千谷縮は縮ゆえ、麻ですが糸を濡らして織りません。しかし越後上布は濡らして織ります。ゆえに竹筬羽に付いたノリ落しのため、製織後、お湯を使いブラシで筬羽を洗うとの事でした。このことは筬羽を供給していた岐阜でも想定外だったのでは、伊部さんが赤焼の筬羽を使用ということは少し理解できました。越後上布では筬羽のくせが出た竹筬は使いたくないのは、精巧な亀甲絣紋様が合わせにくく、時には合わせられないからです。普通のタテ絣やヨコ絣なら十分でしょうが、十字絣、点絣、精密な絵絣になりますと筬羽のくせ、歪みは許されない事になり、研究会の最終精度の目標、大島紬(絹)、宮古上布(苧麻)、今回の竹筬にとって過酷な使用の越後上布(苧麻)の試織結果が可といわれた時、本当に竹筬が甦ったといえると思います。その目標を持ちつつ、一日も早く皆様へ竹筬がお譲りできるよう研修を重ねたいと思います。3月13日〜15日の「試作竹筬による織布展」岐阜県瑞穂市へ是非お出かけ頂きたいと思います。


竹筬はまだ販売しておりません


 現在、研究会では修理や組替えは受付中。竹筬は約20名の方達に試織依頼、その結果発表が3月の「試作竹筬による織布展」その後に販売が見えてくると考えております。インターネットや他の情報で竹筬販売を耳にします。その竹筬は誰が試織したか尋ねて購入を考慮してください。「竹筬」という事だけで購入は要注意です。まだ多くの問題点があると我々は考えております。いろいろな竹筬の情報、お知らせください。

(2008.12.18 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2009年2月号より

ー甦らせるぞ・竹筬ー
試作竹筬による織布展



 ※無事終了いたしました。
ご支援ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。


日時:平成21年3月13日(金)〜15日(日)
    10:30〜17:00(最終日は16:30まで)

会場:(岐阜県)瑞穂市総合センター2F「あじさいホール」



★最寄り駅:JR東海道線 穂積駅



主催:日本竹筬技術保存研究会(竹筬研究会)
後援:岐阜県・瑞穂市・岐阜新聞・岐阜放送

入場料:無料

内容:
・試作竹筬での作家と竹筬研究会会員による織布の展示
・竹筬研究会会員制作の竹筬の展示
・竹筬の制作工程と道具の展示
・外国を含む様々な竹筬の展示
・竹筬研究会会員による実演と解説
・竹筬の診断と修理(預かり修理は有料)



試作竹筬による織布の出展予定者(敬称略)
・沖縄県宮古織物事業協同組合
・神樹工房:神里佐千子(宮古上布・沖縄県宮古島市)
・新垣幸子(八重山上布・沖縄県石垣島市)
・花城キミ(沖縄県小浜島)
・西脇ヒデ(沖縄県多良間島)
・上原美智子(沖縄県南風原町)
・大城拓也(沖縄県南風原町)
・平良道子(久米島紬・沖縄県久米島)
・桃原禎子(久米島紬・沖縄県久米島)
・鹿児島県大島紬指導センター(奄美市)
・遊生染織工房:築城則子(北九州市)
・甲木工房:甲木恵都子(郡上紬・福岡県那珂川町)
・松枝哲哉・小夜子工房(久留米絣・福岡県)
・都機工房:志村ふくみ・洋子(京都市)
・手織り工房・和:磯緋佐子(名古屋市)
・高木宏子(三河木綿・愛知県岡崎市)
・宗広尚子(郡上紬・神奈川県南足柄市)

会員作品 約20点


実演内容
13〜15日 13:00〜14:00、15:00〜16:00
・“二つ割”での竹割り
・“正直台”での筬羽引き
・“幅取台”での筬羽幅引き


竹筬の診断と修理
 (★会場へ竹筬をご持参ください★)
14・15日 13:00〜16:00
旧・日本竹筬工業(株)技術者、大橋滋さんによる古い竹筬の診断
(筬羽差し替え・筬の組替え)
※その場での修理(筬羽の差し替え)以外は有料となりますのでご相談ください

ビデオ上映
旧・日本竹筬工業(株)の竹筬製造
筬作り研修、沖縄などワークショップの様子


作品展の開催に寄せて(会長の挨拶)

平成15年7月「日本竹筬技術保存研究会」が結成されました。以来、旧・日本竹筬工業(株)の技術者である平塚栄一さん(故人)、森助一さん(故人)、豊田亨さん、豊田義雄さん、豊田陸雄さん(故人)、平塚妙子さん、大橋滋さんから伝えていただいた竹筬作りの技が6年目にして、やっと形になり、織物になりました。そこには、今まで多くの人達の協力と努力がありました。
この作品展で、作品、道具類、資料などを通して、一つ一つの工程の大切さと大変さ、要求されている技術と精度の高さを感じていただき、日本で唯一残っていました岐阜県祖父江の伝統の技をご覧いただけたら幸いです。
平成21年1月 下村輝





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 去る平成21年2月24日、竹筬研究会特別会員であり竹筬研究会立ち上げ時より竹筬羽作りを指導していただいた竹筬羽職人の豊田陸雄氏がお亡くなりになりました。享年83歳でした。
 常に笑顔をたたえながらも竹筬の品質に妥協を許さない姿勢は、竹筬研究会会員にとって言葉の手段をとらずに教えられたことでした。
 今後も陸雄さんの教えにそって、竹筬制作の技術修得に精進いたしたく思う次第です。







竹筬職人の豊田陸雄さん

 竹筬研究会が発足して6年、賛助会員や準会員、また会員ではなくても古い竹筬資料の提供、いろいろな竹筬の情報の提供、ご意見やご助言をいただいた皆様へ、直接、会の活動や会計を報告する手段は持っていませんでしたが、9月に会報「竹筬」第1号が創刊でき、今までお世話になりました皆様へお送りすることができました。年1回の発行予定ではありますが、20年度はもう1回「竹筬と織物展(仮称)」の臨時号を発行いたします。
 現在試作中の竹筬による試織をお願いしている約20名の染織家の方達の織物をお借りし、併せて会員による試織織物による「竹筬と織物展」を2009年3月13日(金)〜15日(日)、研修地である岐阜県瑞穂市の総合センターで開催いたします。年内にはほとんどの方の試織結果が出、その結果をふまえて、具体的に内容を決定し「竹筬と織物展」を成功させたいと思います。そして次なる目標、竹筬を譲れる体制作りへと進んでいきたいと思います。
 現時点では「竹筬と織物展」のサブタイトルで「甦る竹筬」という案が出たのですが、お教えいただいている職人さんから、まだ100%甦った技術レベルの竹筬ではないので、「甦れ!竹筬」になりました。プロの職人さんから見れば、あと少し頑張りなさいという厳しくもあり、ありがたいご意見であり、研修生一同、3月の発表会めざし、さらなる努力をし「甦った竹筬」と言っていただけるよう毎日の研修を重ねねばと思います。ただ試織をお願いしている方達からは、問題はなかった、あるいは譲ってほしいとの良い結果のご返事もいただいており、研究会のレベルが、ほぼ使用に耐えうる実用的な竹筬になりつつあることも実感しており、希望を持って3月に向かって進んでおります。

 会報の創刊号(コピー)を無料で送ります。ご住所とお名前をお伝えください。

(2008.10.22 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2008年12月号より



 7月9日、福島県会津のからむし織の里・昭和村へ竹筬の調査も兼ね特別講習で訪ねました。昭和村は竹筬研究会が竹筬を依頼されている越後上布・小千谷縮にからむし(苧麻)を栽培し提供している本州における唯一の生産地です。上布といわれる繊細な織物は越後と小千谷といった織産地で昭和村の苧麻を苧績みし織られていますが、その昭和村では素朴な昔のからむし織が残っていました。からむし織の里のからむし工芸博物館ではからむし織に使用されている地機と竹筬を拝見、昔ながらの地機専用の竹筬が修理をしながら実際に織姫交流館や地元の方達のからむし織に使用されています。それに近い竹筬は以前名古屋の九鬼良孝さんより提供され、その地機の竹筬が現在実際に使われていた事実は驚きで、そのことは帰りに寄った文化庁の文化財調査官の方々にもお伝えしました。越後からの試作竹筬のための参考竹筬が現在の高機用と同じでしたから、もう一度地機用の竹筬は見直さないといけないのではと思います。竹筬研究会の今後の研究として、地機用の竹筬復興も課題になりそうです。昭和村からむし生産技術保存協会から、地機用の竹筬修理を依頼され、その修理技術も研究会の課題になりそうです。その資料として昭和村在住の会津地方で百年、2百年の古民家解体と再生普及そしてペンションをしておられる會津古木屋の小林政一さんに会津地方の地機用の竹筬・カマチ・長刀杼を依頼し、それらは現在出所も含めて研究会に届いております。そんな今回の昭和村の成果を持って、越後上布・小千谷縮への竹筬調査復興へとつなげていきたいと思います。小林さんには古い地機や機道具も探していただけ、またご夫婦には野生の日本茜を苧麻同様、畑での栽培をお願いして帰ってまいりました。

■竹筬に関するご要望ご意見をお聞かせ下さい
 現在、竹筬研究会では技術の伝承から、より具体的な竹筬を譲れる状態になりつつあり、その一つの区切りが来年3月13日(金)〜15日(日)の試作竹筬による織物展で、すでに試織された方より竹筬を譲って欲しいといわれておりますが、もう少し試織回数を重ねてからと考えております。それまでの半年間に出来つつある竹筬をどうするのか検討中ですが、皆様のご意見もぜひお聞かせいただければ幸いです。

2008.8.22 下村輝 記

染織と生活社『染織情報α』2008年10月号より


連絡先:
Tel&Fax 075-313-1348
E-mail takeosa200307@yahoo.co.jp


 京都相国寺承天閣美術館での105歳で亡くなられた山口伊太郎さんの遺作展・源氏物語錦織絵巻の期間中に特別企画された「人ともの」の物語講演会の中で竹筬研究会は6月5日より1週間、原料竹材・工程別の製作竹材・研究会員による試作竹筬・修理竹筬・アジアの参考竹筬を展示、併せて岐阜県祖父江に残っておられます職人さんたちがご使用になった正直台をはじめとした道具類の展示、それを基に復元し、現会員が使用の道具類も展示いたしました。とくに7日と8日は会員・角浦さん、今枝さん、西尾さんによる実技講演を実施、8日はさらに特別会員・大橋さんによる竹筬修理のお申し込みも受付け、丹波青垣町の丹波布伝承館の方たちからは試作竹筬による試織のご希望もあり、来年の「竹筬と織展」に広がりができました。加えて、以前沖縄を主として竹筬のアンケート調査を会場でも実施でき、改めて竹筬研究会の活動や現状を公開し、広く染織の方たちと交流でき、竹筬のことを良く理解していただけた1週間だったと思います。特別展ではわれわれ研究会の活動に加え、信州岡谷より製糸の宮坂照彦さん、糸染色の岡本芳明さん、私は絹糸とねん糸と道具の話し、普段なかなか聞く機会のない職人さんたちの実技を含むお話があり、源氏物語錦絵巻の鑑賞と併せて充実した1週間でした。
※7月2日よりは会員であり、現在、奄美大島紬の研修生であり、竹筬研究会ホームページ担当の鳥居さんが奄美で竹筬の写真展をいたします。
※7月9日には福島県昭和村の依頼で竹筬の現状と報告会をいたします。9月15日、16日の第8回東京スピニングパーティーでは、竹筬を含む道具の紹介にも力を入れたいと思います。

(2008.6.20 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2008年8月号より

注:奄美大島での写真展は7月22日から行いました



 竹筬研究会も6年目、ホームページでも情報をご覧いただけます。今年の目標は試作竹筬による約20名の方達による試織織物を地元の岐阜県瑞穂市にて「竹筬と織物展」を開催する事、そのための竹筬作りに向けて会員各位、研修を重ねております。その裏付けとなる20年度の芸術文化振興基金の助成金も300万円の内定を受け、織物展がより具体化でき、竹筬復活への手応えを皆様に知っていただく最良の方法と考え計画いたしました。加えて職人技、技術の要点を書き取り、新たな後継者の方達のテキストとなる「竹筬作りの覚書」と映像記録作り。また重要無形文化財保持団体の越後上布・小千谷縮布、久留米絣への竹筬調査と竹筬作り。特に久留米絣につきましては、竹筬羽を使った絵絣用の種糸台の製作も今年の目標として取り組んでいます。
 研究会の現在の竹筬の現状と報告は、まず5月24日、25日の信州の松本クラフトフェアで下村ねん糸が情報資料コーナーに出展。6月に入りますと、6月5日より約1週間、竹筬研究会は、その中の7日(土)8日(日)は実技報告、特に8日は特別会員の筬組み職人・大橋さんによる竹筬の修理も受け付けます。会場は京都市内の相国寺承天閣美術館で4月27日から7月6日まで開催されている「山口伊太郎(105歳)遺作展・源氏物語錦絵絵巻』展に隣接した二階講堂です。

(2008.4.15 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2008年6月号より
    


http://www.ntj.jac.go.jp/kikin/index.html


本研究会は芸術文化振興基金の助成金を受けて活動を行っております。


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