京都相国寺承天閣美術館での105歳で亡くなられた山口伊太郎さんの遺作展・源氏物語錦織絵巻の期間中に特別企画された「人ともの」の物語講演会の中で竹筬研究会は6月5日より1週間、原料竹材・工程別の製作竹材・研究会員による試作竹筬・修理竹筬・アジアの参考竹筬を展示、併せて岐阜県祖父江に残っておられます職人さんたちがご使用になった正直台をはじめとした道具類の展示、それを基に復元し、現会員が使用の道具類も展示いたしました。とくに7日と8日は会員・角浦さん、今枝さん、西尾さんによる実技講演を実施、8日はさらに特別会員・大橋さんによる竹筬修理のお申し込みも受付け、丹波青垣町の丹波布伝承館の方たちからは試作竹筬による試織のご希望もあり、来年の「竹筬と織展」に広がりができました。加えて、以前沖縄を主として竹筬のアンケート調査を会場でも実施でき、改めて竹筬研究会の活動や現状を公開し、広く染織の方たちと交流でき、竹筬のことを良く理解していただけた1週間だったと思います。特別展ではわれわれ研究会の活動に加え、信州岡谷より製糸の宮坂照彦さん、糸染色の岡本芳明さん、私は絹糸とねん糸と道具の話し、普段なかなか聞く機会のない職人さんたちの実技を含むお話があり、源氏物語錦絵巻の鑑賞と併せて充実した1週間でした。
※7月2日よりは会員であり、現在、奄美大島紬の研修生であり、竹筬研究会ホームページ担当の鳥居さんが奄美で竹筬の写真展をいたします。
※7月9日には福島県昭和村の依頼で竹筬の現状と報告会をいたします。9月15日、16日の第8回東京スピニングパーティーでは、竹筬を含む道具の紹介にも力を入れたいと思います。
(2008.6.20 下村輝 記)
染織と生活社『染織情報α』2008年8月号より注:奄美大島での写真展は7月22日から行いました
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