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(略称:竹筬研究会)
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3月、会員3名で沖縄を訪れました。2組合に試作竹筬を納入し、以前に各組合に納入した竹筬の評価や要望を聞くためです。
琉球絣の大城廣史郎工房では納入した「よろけ竹筬」の今後の課題で、帯の織帛は「よろけ」の表現が今一つで、一番の原因は「よろけ竹筬」を上下に滑らかに移動できる筬框操作の作成と使用する絹糸の太さと織物密度との関係です。筬密度、すなわち鯨寸間何羽の筬で、使用する筬羽の厚みは何〇の筬羽で組むのが最適か、筬設計の話になります。喜如嘉の芭蕉布では帯の作品を多数拝見し、帯用の竹筬の要望が有りました。帯の場合、糸作りの段階から、タテ糸の太さ・単糸か双糸か・より方・より回数も含めて今後の課題で、幸い9月21日・22日の「東京スピンニングパーティー」でお目に掛かれた折、ねん糸のことも含めた糸使いで糸を決め、筬密度を設計し作成いたします。以前に古い竹筬を提供いただいたものは、両耳付近の竹筬羽が芭蕉布の結び目等で竹筬羽が削れ、糸スジが付き、竹筬にとっては過酷な使用状況で、竹筬は消耗部品といえます。
読谷村花織では、以前、組合の竹筬要望はなかったのですが、各個人では竹筬使用の要望がありました。那覇伝統織物組合と琉球絣織物組合、前者は以前に3枚の試作竹筬を納め、竹筬展にも作品を出展、今回は追加の竹筬納入と要望と評価を調査できました。琉球絣組合は、要望のありました夏物の駒糸使いの着物用の竹筬納入です。1cmあたり15羽と18羽を各2枚の計4枚。この夏物の駒糸使い紗や絽の薄物、土屋順紀氏の紋紗の筬設計は一般的な着物用の筬設計とは全く逆の筬構成で製作し、試織し、結果を出し、より適正な構成で竹筬を製作いたします。今回の場合、それぞれの羽数と同じ銘柄の筬羽使用と厚羽での各2種を納めての結果待ちです。この組み合わせで唯一なのが大島紬用の竹筬で、15.5ヨミの羽数に厚羽で組み、一般的な筬の天地が8cmのところ7.5cmと低く、タテ・ヨコの点絣が合うことを最重点にした組み合わせ竹筬で、泥染めの黒ということで、筬羽の焼きは濃い赤焼きではなく、竹の色を残す白焼き羽で作られています。ちなみに一般的な筬設計は15ヨミの着物幅40cmで1200本のタテ糸が並びます。その時の使用筬羽銘柄は100本~200本薄い筬羽で組みます。その分、糸や節が通りやすくなりますが、両耳が不安定になり、ヨコ糸の入れ方と機張りの加減が重要です。研究会の竹筬羽はこの使用筬羽の銘柄を表示していますが、今までの竹筬羽は表示がなく、ヨミ数は同じでも、銘柄=筬羽の厚みが違う羽での竹筬である認識も必要です。
4月17日記   下村  輝
2月4日付で、2019年度の国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金交付申請書を京都府を通して文化庁長官へ提出いたしました。総事業費は997万円余で、交付を受けようとする補助金は980万円です。以前の名称は、国宝重要文化財等保存整備補助金で、来年度からは上記に変わり、今までの保存に活用事業費という考え方が加わり、今後の時代が求める補助金の方向と思います。国の考え方の方向性と会の具体的な考え方と運営をお伝えし、助言いただく2月16日の研修会日と17日の2日間。文化庁文化財第一課工芸技術部門調査官・生田ゆき氏と京都府教育庁指導部文化財保護課美術工芸・民族・無形文化財担当・向田明弘氏のお二人に岐阜の研修場にお越しいただきました。
1日目は、会の作業や活動・状況を知って頂くために丸青竹の割り・竹ヘギ・湯炊き・乾燥・銑引き・幅取り・羽切りをご覧いただき、最後は小嶋さんの竹筬編整機による機械組みと筬の仕上げをお見せしました。その後、私と小倉で来年度からの文化庁文化財第一課工芸技術部門の国庫助成事業の書類等マニュアルの説明を受け、提出書類については申請書や報告書の新しい内容と要件、補助事業では要作成書類や総会、補助事業視察の内容と要件で従来通りです。2日目は、朝一番に祖父江の集落をご案内して、以前の研修所・豊田陸雄さん宅や大正7年に光照寺前に建設された竹筬の功績者 栗山頼資記念碑・長良川支流の堤防に竹ベラを網代に組み竹干しした土手の風景を見ていただきました。その後、研修所において、下村・野村・小倉で来年度の文化庁の補助事業の基本的な考え方と今後の方向性をお聞きしました。補助金事業の中で活用事業費の具体的な内容は、昨年10月に熱海市で開催された子供たちを対象にした参加型の「日本の技体験フェア」で、全国各地の32の文化財を陰で支え続けてきた修理技術や材料・道具を作成する技術が一堂に集まり、体験コーナーや実演コーナーがあり、各種保存団体と交流や情報交換の持てる機会です。来年度は、沖縄で開催と聞いています。このような事業は、各団体でも小規模ながら展開できるようです。
今回の意見交流の結論的な事は、竹筬製作で「染色の世界での社会的な貢献・製作技術での伝承と後継者の育成」を竹筬製作技術の活用で新しい用途の開発や需要の開拓、機械化による精度と効率化で発展的に研究会を運営していけるよう補助金を活用してほしいとのご意見でした。この考え方と方向性を少し文章にまとめて2月末締め切りの「第13回読売あをによし賞」に応募いたします。 *5月25日・26日のまつもとクラフトフェアは、講堂が改修のため使用でず応募しておりませんが、前日の安曇野。後日の岡谷での講習会は計画しております。
2月21日記   下村  輝
8月の「羽切り」の機械化は、筬羽は8cm〜9cm、真弧用は20cmまでの「治具」の試作ではほぼ問題ないと思います。機械切断時の羽竹の束ねは指や糸ではなく、100円ショップの梱包用フィルムを使用しています。手による「羽切り」は羽揃えした羽竹を筬の外天地+2mmの長さに指で押さえて切断、切断時の逃げを考え、切断枚数の半分の所で筬羽を180度返して、+・−の調整をして金框で高さを揃え(筬羽の幅)のバリカキ、その後のミガキ後「焼き入れ」になります。万力でしっかりはさみ、固定して金框から外し、天地の高さの8cmや9cmに鉋を掛けます。幅の高さ揃えの立鉋掛けや天地揃えの鉋掛けは竹の繊維の流れに逆らう工程で、長く経験の重ねられた職人さんならではの技術がいる作業です。羽切り前の銑引きされた羽竹の幅6.4mmの幅取りや厚みの傾きや平行度の精度をはじめとして、金框の締め具合、万力での締め具合などが不十分だとこの鉋掛けは筬羽の羽割れにつながる作業です。機械でもし外天地の8cmや9cmに完璧に羽切りできれば、天地を揃える縁仕上げの鉋掛けは必要がなくなりますし、また金框での高さ揃えのバリカキの立鉋掛けも考慮中です。機械での羽切り時、羽竹を1枚の板として切断する前工程として、今は2台のバイスを使用し、金框と同じ原理で長い羽竹を固定し、フィルム巻きしています。巻く前のバイス固定時に竹繊維の流れに沿っての金框での傍仕上げ(立鉋でのミガキ)と同様の方法で、高さ揃えのバリガキができないかとその2台のバイスの構造と一定の高さに削ることができる鉋との組合せを考えています。金框の試験も、真弧用の20cmには今は対応できず、宮垣さんが現在の金框の寸法から図面を起こされ、3Dで拝見し検討しています。寸法は今までの手作業の精度と職人さんの経験と技術でクリアーできたのでしょうがアバウトな数字です。羽切りでの性格な天地の寸法や幅決めの精度が上がれば、金框の精度と役割が変わるのではと相談しています。

 和傘職人の中村屋の工房も2度寄せていただき、竹加工の実技と岐阜和傘のDVDをいただき、夫婦・男女の職人さんの凄い技術と凄い機械加工の映像で、丸青竹の割り方や手順、機械加工では骨4本分に手割りした竹の余分な厚みを削り取る「肉き」機械、その後の1/2の小割り器、穴あけ機、さらに骨1本分にする1/2の小割り機、そして親骨の4ヵ所を一度に削る骨削り機械や機械ロクロでのロクロ作り、目切り、目穴あけ、目すきの機械工程は、凄いの一言、技術伝承はもちろんのこと、この凄い機会を残すことも重要と思いました。


(2018.12.20 下村輝 記)


羽切り工程:今は長尺の青丸竹を切り出してもらい、会で節落しして、16mm幅に割り、竹剥ぎした竹ベラを湯炊きして乾燥が会の作業に加わりました。その竹を二つ割りにして、最初の銑引き、荒引きし、幅取り、二番目が一番重要な二番引き、三番目の皮取り、四番目の上引きで厚みが決定、「千三」以上の薄羽は仕上げ引きもあります。銑引きや幅取りは最初6分を削り取り、反して残り4分を取ります。1回の工程は2度の羽を通す作業で、上引きまでに10回(仕上げ引きは12回)の刃物を通します。これだけの作業工程を経た長い状態の薄い羽竹を羽揃えして、重ねて筬の外天地(8cmや9cm)+2mmの長さに切断するのが羽切りで、用具が羽切り台です。押切りの原理で重ねた羽竹を必要な外天地の長さに切るのですが、刃物は銑引きに使用後の刀のように細くなった刃を利用、刃はか片刃で研ぎで少しだけ両刃的にしていますが、羽切りで切断面が逃げることを見越して羽切り台は制作してあります。左手で羽竹の束を保持し、右手の指で押さえての切断で、大変技術と経験のいる作業です。職人さんの半分の枚数を切ることも、会員にとって大変で、この羽切り切断が上手にできなければ、羽割れの原因になり、天地の不揃えになり、筬羽が不良になり、今までの作業が無になります。

 今、人に渡せる試作竹筬の羽竹の切断は西尾さんにお願いしていますが、この技術の伝承と次の後継者の育成の必要性を感じます。10月の研修でこの「羽切り」を西尾さんに講習いただき、会員が挑戦致しましたが、非常に大変で難しい作業でした。会の今年度の目標は、会員の筬羽引きの技術向上と提供竹筬の筬羽制作ですが、その次の羽切り工程もクリアーすべき重要な技術で、その技術を教授できる日本竹筬工業の職人さんは0です。羽切り技術の習得も会の次の課題で機械化はその一つの方法で試作を始めていますし、幅取りの機械化は岐阜の和傘職人、中村さんに相談を掛けています。



(2018.10.21 下村輝 記)


第6回「染織の素材+漆+竹筬展」
12月5日(水)〜11日(火)
11:00〜19:00
ぎゃらりい西利
075-525-7111
京都市東山区四条通祇園町南側
京つけもの西利祇園店4階
https://www.nishiri.co.jp/news/gallery/











【 第15回 試作竹筬と織布帛展 】




・開催日:2018年11月21日(水)〜25日(日)

・時間 :09:30〜17:00(25日は15時まで)

・場所 :シルクセンターB1 催事場
     http://www.silkcenter-kbkk.jp/museum/
     231-0023
     横浜市中区山下町1 
     045-641-0841(シルク博物館)

入場無料




・展示内容:会員による筬羽作り実演と解説 10:00〜11:00、13:00〜14:00
      ★筬引き体験(実演時間中)お気軽にご参加ください 
      会員が制作した筬、それらを使って織られた布帛
      ビデオ上映…旧日本竹筬工業(株)の竹筬製造、筬作り研修など





・試作竹筬による織布の出展者(試作竹筬提供者):
     今までに試作竹筬を提供し、試織していただいた皆様その方たちの中で織布を提供していただいた方や、作品をご提供いただいた方の染織品を展示することで竹筬と研究会の現状と未来をお知らせできればと存じます。


   喜如嘉芭蕉布事業協同組合(沖縄県大宜味村)
   宮古織物事業協同組合(宮古上布・宮古島市)
   久米島紬事業協同組合(沖縄県久米島町)
   美ら島財団(復元宮古上布・那覇市)
   那覇伝統織物事業協同組合(那覇市)
   石垣市織物事業協同組合(八重山上布・沖縄県石垣市)
   新垣幸子(八重山上布・沖縄県石垣市)
   慶田盛英子(沖縄県竹富町小浜島)
   大盛キヨ(沖縄県竹富町小浜島)
   花城キミ(沖縄県竹富町小浜島)
   宮古上布工房:愛風:洲鎌ツル(宮古島市)
   神樹工房:神里佐千子(宮古上布・宮古島市)
   紅路工房:石垣昭子(沖縄県竹富町西表島)
   大城廣四郎織物工場:大城一夫(琉球絣・沖縄県南風原町)
   たわた工房:多和田淑子(首里織・那覇市)
   上原美智子(絹織物・沖縄県南風原町)
   沖縄県立首里高等学校・染織デザイン科(那覇市)
   松枝哲哉・小夜子工房(久留米絣・久留米市)
   森山絣工房:森山哲浩(久留米絣・福岡県広川町)
   山藍:山村省二(久留米絣・福岡県広川町・絵台筬)
   おぢや縮工房しみず:清水勇次(新潟県小千谷市)
   丹波布伝承館(兵庫県丹波市)
   ゆうづる会(松阪木綿・三重県松阪市)
   広瀬絣工房:永田佳子(島根県安来市)
   工房ゆみはま:田中博文(鳥取県境港市)
   綴織技術保存会・奏絲綴苑:平野喜久夫(京都市西陣)
   木谷萌子(綴織り・大阪府島本町)
   岩間利夫(藤織り・京都市西陣)
   唐仁原ますみ(川越唐桟・さいたま市)
   山田春子(川越唐桟・埼玉県川越市)
   手織りの仲間さくら:岩井豊子(千葉県佐倉市)
   神吉さちこ(真田織り・兵庫県芦屋市)
   小峰和子(木綿織物・埼玉県狭山市)
   土川千賀(愛知県一宮市)
   鈴木良子(木綿織物・愛知県一宮市)
   佐野節子(美濃縞木綿・岐阜県羽島市)
   荻野光代(尾張木綿伝承会・愛知県日進市)
   都機工房:志村ふくみ・志村洋子(京都府)
   佐々木苑子(絵絣紬・東京都・絵台筬)
   甲木工房:甲木恵都子(絹織物・福岡県那珂川町)
   宗広尚子(あしがら紬・神奈川県南足柄市)
   宗廣佳子(絹織物・長野県東御市)
   遊生染織工房:都築則子(小倉織・北九州市)
   大和恵子(小倉織・北九州市)
   博多織技能開発養成学校(福岡市)
   大髙美由紀(絹織物・神奈川県南足柄市)
   間瀬邦子(絹織物・愛知県豊田市)
   手織り工房・和:磯緋佐子(絹織物・名古屋市)
   小林佐智子(木綿織物・愛知県武豊町)
   原千絵(絹織物・岐阜県郡上市)
   小島秀子(絹織物・千葉県松戸市)
   小熊素子(絹織物・東京都)
   マイテ タンギー他(フランス) 
   浅沼米子(黄八丈・東京都八丈島)
   志賀松和子(絹織物・京都府和束町)
   蕪の森スタジオ:眞木香(絹織物・山梨県北杜市)
   光佳染織:横内佳代子(絹織物・長野県松本市)
   森實美千子(絹織物・室蘭市)
   小谷るみ(別府市)
   佐伯恵(東京都)
   後藤順子(苧麻織物・大阪府茨木市)
   小室正子(木綿織物・水戸市)
   繁藤道子(茨城県小美玉市)
   石塚美枝子(さいたま市)
   早﨑裕子(岐阜県神戸町)
   菰田眞理子(愛知県田原市)
   薦田綾子(山梨県北杜市)
   永井泉(長野県松本市)
   森有季野(岐阜県笠松町)
   小山清實(手機場・愛知県蒲郡市)
   大喜美恵子(岐阜県羽島市)
   中村幸子(静岡県湖西市)
   世田谷区立次大夫堀公園 民家園内 機織りグループ
   川崎市立日本民家園 機織りグループ
   
   
  
   



・主催:日本竹筬技術保存研究会(竹筬研究会)
    ※日本竹筬技術保存研究会は平成29年10月に選定保存技術「竹筬製作」の
     保存団体に認定されました

・共催:シルク博物館


・お問い合わせ:090-3868-2157(会長:下村)




会期中、同館にて
・第25回全国染色作品展(10/20〜11/25、09:30〜17:00)
・竹筬研究会会長【下村ねん糸のシルク講座】(11/24土10:00〜、13:00〜★要入館料)
も開催されています













 今年度より、私と第一合成の会員・宮垣さんとで機械化部門を作りました。幅取りと銑引きを唯一機械化された故・豊田義雄さんのお話しや映像より、その必要性を感じてのこと。その機械は日本竹筬工業に声を掛けた時には廃棄されており、経験のない我々が再現するには設計図面や機械製作者さがしと問題は山積みで困難で、義雄さん以外、実現できなかったことで、私達には実現不可能かもしれませんが、真弧(発掘物の実測を形取る道具)用の筬羽を必要とされている第一合成さんや竹筬研究会にとっても、すべてが手作業ではコストと製作枚数、精度で現状では多くの課題があり、機械化の方向は作業の簡素化、簡易化で絶対に必要と思います。

 日本竹筬工業の職人さんの各部門の技術を習得するには10年と話され、たとえ職人の教授があったといえ、竹筬製作に会員が掛ける時間を考えれば3年以上かかる各技術だと思います。義雄さんの機械の精度は1/100、熟練した職人で2/100、機械が熟練工より精度が高い、そこには竹の特性と職人さんの作業方法の限界があります。手作業での幅取りや銑引きでは最初6分を削り取り、次に残り4分を竹を返して削ります。竹は先端が細く、根元の方は太く、その方向で繊維が通っていますので、返して削るときには太い方から細い方へ刃物が繊維にそって内側に入る結果が2/100です。機械はローラーで引き込んだり、突き出し棒で押し出すので、いつも先の細い方から、元の太い方へと方向が一定で刃物が内側に入ることはなく精度は1/100です。機械の調整やセットは手作業の時も同様に必要ですが、機械は同じ動作を行いますので、誰でも少しの経験で作業できることになり、簡素化と簡易化が効率化になり、コスト削減と精度向上になります。

 手作業の技術習得には時間と経験の積み重ねの日々の努力の結果で、良い結果が出て技術が初めて評価されます。機械化は時間と経験があって、加えて機械の技能があっての機械化実現で、困難と失敗の連続だと思いますが、まず銑引きされた筬羽を8cm〜9cmに切断する技術のいる「羽切り」から挑戦いたします。







(2018.08.27 下村輝 記)
















 岡山県の山手、中国山地に選定保存技術「木炭製造」の伝統工芸木炭生産技術保存会の現場があり、保存会の原材料である日本油桐の植林と合わせて竹林整備もできないのかとのお話しがあり、4月末に現地調査、ご案内いただいた3カ所のうち、今回は川竹も1カ所、試験切りして調査いたします。全国の竹林の荒廃が進む中、今回の現場も同様で、整備し良質の竹材を入手するには時間と人手がかかり大変な作業と思います。資料竹材の試験を経て岡山の竹材の結果を出したいと思います。翌日は土佐市の手漉和紙用の簀や簀桁製作の山本忠義さんを訪ね、竹ヒゴ、絹の編糸、銅釘等で意見交換、竹ヒゴでは我々と同様、別府へ調査、絹の編糸は簀編みの途中で糸切れして困ることを話され、その原因を尋ねられ、お返事申し上げました。一番お困りの製造中止の銅釘は資料釘をお預かりして、打出し用の金型を作ってくれる職人さんを探すことになりました。

 我々の竹材と同様、手漉和紙の用具の各部品の入手が困難になり、製作現場の職人さんは本当に困っておられることを実感し、この状況が続くと廃業になります。機械漉和紙の世界もあると思いますが、手漉和紙の世界では代替用品の提供が万一できない場合、大変なことになります。そのために昭和51年手漉和紙用具製作が選定保存技術に選定、全国手漉和紙用具製作技術保存会が認定され活動されておられますが、現場の山本さんたちと保存会の交流が十分でないと思いました。山本さんがJOC編集のDVDで銅釘を探しておられましたが、今までの職人間の部品製造の流通では入手は不可能と思います。編糸も岐阜の方が唯一とお聞きしており、その技術の伝承は私が保存会より依頼された折のことを考慮しての結論は次は0です。竹筬、私のねん糸等の業界の分業間の職人間の部分や部品製造の経済やしがらみの流通革命ができない限り、各部門の職人さんの仕事の継続と次の後継者育成は夢になります。先日、山本さんに銅釘の金型の若い職人の可能性を連絡したところ、今年で廃業のお返事。高知の簀桁職人は0になります。山本忠義さん89歳、出会いが遅すぎました。その技術、道具類、部品、受け継ぐ方がなければすべてごみになります。4月はご年齢を感じず前向きでした。残念であり次に生じる事柄が心配です。





(2018.06.22 下村輝 記)











 29年度の国宝重要文化財等保存整備補助金の実業報告書を4月初めに提出、4月9日付で補助金980万円の確定通知が京都府から届き、29年度の事業は終了、総会での承認を経て、30年度の事業が始まります。事業報告書と同時に30年度の事業計画書も提出、内定決定の通知書を経て実務が始まり、1000万円強の事業になると思います。昨年7月に国の文化審議会で文部科学省へ、人間国宝を初めとして、「竹筬製作」が選定保存技術に認定され、竹筬研究会が保存団体の認定を受けたことが新聞発表されました。10月には東京のホテルで重要無形文化財保持者(人間国宝)及び選定保存技術保持者等の認定書交付式とその後の懇親会に小島、小倉、下村が参加、交流を深めました。

 選定保存技術の選定と保存団体の認定と合わせて、補助金総額は今までの600万円+380万円=980万円という大きな金額で、竹筬研究会の補助金対象の総事業費は昨年度から1000万円を超える大きな事業で、国の当研究会に対する期待であり、竹筬製作と提供で応えていける研究会であり、技術伝承と後継者育成絵を進めていきたいと思います。今年度は文化庁が認定された芭蕉布、宮古上布、久米島紬、久留米絣、越後上布、小千谷縮、結城紬や染織の重要無形文化財保持者の皆様と竹筬との接点を持っていただき、貢献していきたいと思います。


 ※竹筬研究会の研修日は原則月2回(第一と第三土曜日)13時〜17時頃まで、岐阜県瑞穂市生津外宮前町1-120(JR穂積駅徒歩約15分)で実施、見学と体験大歓迎です。毎回10人強の会員が昼食後、それぞれの研修を行っております。



(2018.4.20 下村輝 記)











 29年度から進めていました庶務および会計の役割分担を関さんから、若者の小倉さんに段階的に移行し、1月の名古屋での第14回竹筬展は新たな考えのもと、小倉さんが中心となって連日運営し開催できました。また10月2日付で、当初より要望していました「竹筬製作」の選定保存技術の選定とその保持団体の認定と補助金の増額も承認され、補助金総額980万円という大きな数字は若者の役割に対する支払額の増額に対処でき、会の技術伝承と運営の後継者として育成する具体的な数字で、その主旨に沿って、10月以降は運営しており、将来的には営業面での運営も重要な課題です。


 その第一歩目は各染織産地や織元、染織家の皆様を訪問し、筬状況と使用糸の種類、特徴、太さなどを把握して、竹筬製作と会の運営に生かしていく事が大事です。日本竹筬工業の時代は各染織産地の竹筬屋さん(竹筬を組む人)に竹筬羽を供給する事が仕事で、各染織産地の織物や糸の特徴、太さなどは産地の筬屋さんが把握して竹筬製作をされていましたが、15年前の廃業で竹筬羽の供給が停止し、この竹筬製作販売のシステムも消滅いたしました。竹筬研究会では、今まで各染織産地や染織家の方に試作竹筬という形で試験という意味を含めて竹筬提供をしておりますが、認定後はより一層、織元さんや染織家の方の直接のご意見や状況を把握して、織られている織物に一番適した竹筬を製作できる新しいシステムを作りたいと思います。


 昨年10月には喜如嘉の芭蕉布と世田谷の民家園、2月には丹波布、月末には九州の小倉織・博多織・久留米絣を調査訪問、3月は奄美大島紬の組合と織元訪問が決まっていますし、3月中には沖縄も計画しております。30年度の4月からも、染織産地や織元さんを訪問し、織物や糸の勉強をさせていただくことは竹筬の設計と製作上、重要で大切な事だと思います。





(2018.2.21 下村輝 記)












 29年7月に「竹筬製作」が選定保存技術に選定され、竹筬研究会がその保存団体の認定を受けました。9月には国宝重要文化財等保存整備費補助金が380万円増額され、総額は980万円になりました。今まで会員のボランティアや持ち出し分を計算して折衝した結果、決定いただいたもので、具体的には事務費、年間約70万円、研修会場の使用料や材料、道具機械額の保管施設費130万円、人のために竹筬羽を引く会員の自宅研修費3人で約100万円弱、今までは各染織生産地の筬屋さんが担当していた部門がここ15年で0。今後は当会員が各産地の糸使いや筬の現況を知って竹筬製作するための各産地の調査費50万円、竹筬復活と頒布のためのより一層の試作竹筬製作に約50万円プラスで合計380万円の増額です。

 980万円は大きな仕事ができる金額ではありますが、逆の心配も大きなものになります。補助金980万円はその仕組み上、その年度が終わった(3月末)翌月の4月に入金されます。年度始め(4月)から年度末(翌年3月)の1年間の支払いや運営費は会が立て替えての支払い、980万円の資金をどう手当てするかは大きな問題で、銀行にも相談し、以前は内定通知書が担保で借入れも可能でしたが現在は無理、担保と保証人で借入れは可能でしょうが、誰がの問題と利払いが生じます。月払いや半年の元金均等割賦償還は月々の収入のない現状の会では不可能です。年度が終わり4月に入金があり、それで一括償還できても、同月に新年度の事業が始まり、資金が必要で、また借入れが必要になり、会の自己資金を確保しない限り、利払いがずっと続く事になります。980万円を月2%で計算して、年19万円の利息、年会費5千円38人分になりますし、元金の支払い延滞利子は10%以上で、どれも運営上、会にとって厳しく大きな数字です。

 そんな補助金の矛盾を抱えながら14年間やってきましたが、増額決定の9月からは徐々にではありますが、誰でも運営ができる会、とくに小嶋さんや小倉さんが運営していける体制作りに力を入れております。今までのボランティアや持ち出し分を会の仕事として対価を払い、その中から各自が会の出資金的な資金を蓄積できれば理想ですし、将来的には会自身の営業活動で資金蓄積ができれば、より会の力も付きますが、営業活動は赤字の営業リスクも生じますので、会の今後の大きな課題です。竹筬を製作する事は基本で一番大事な事ですが、それを製作する会をどのような方向で研修し、後継者を育成し、頒布に繋げるか、会の運営が重要になりますし、今回の増額はその部門を充実し、竹筬復活と染織産地への竹筬での貢献を期待されての決定と思っています。



(2017.12.22 下村輝 記)









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