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(略称:竹筬研究会)
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 竹筬研究会が設立され、研修を重ねて約10年、その間には旧・日本竹筬工業の技術を教えいただいていた職人さんが亡くなられたり、ご高齢でお教えいただくことが困難になりました。また、竹筬羽の検査がお願いできなくなりました。しかし、その間には試作竹筬も製作でき、約40名の染織家の皆様に試織をしていただき、「試作竹筬と織布展」を9回実施、来年1月には第10回を開催いたします。技術的な伝承には、まだ少しの不安定的な要素はありますが、今後の研修の積み重ねでクリアしていきたいと思います。

 ただ、10年間続けてきて、毎年悪くなっている一番の問題、良質の竹材確保を解決しなくてはいけません。以前の安心して使えた九州福岡の竹材が全滅、その後の京都産も期待はずれ、地元の竹切り職人さんによる岐阜産や、竹林管理を依頼している奈良県の竹材は、まだ結果が出ていません。竹切り職人さんや竹加工職人さんの問題、温暖化による真竹のかたさ不足や密度の粗さによる粘り強さ不足など日本の山や竹林がかかえる問題点が竹材の良否に直結、いま研究会最大の課題で問題です。

 素材の竹材が良くなくては技術も十分に生かせず、結果的にその製品も決して良いものにはなりません。技術が向上し、素材の良否が少しわかるようになり、ここ2、3年は竹材探しが研究会の大切な課題になり、その加工が研究会の仕事になり、新しい加工機械が2台入り、丸竹から竹ベラまでの加工はもう少しでクリアできそうです。

 一番大切な原料竹を得るため、いま竹筬羽製造に一番近く、まだ多く生産加工され参考になり、場合によっては代替できる可能性のある京扇子の扇骨(センコツ)の素材竹材店を最近訪問、真竹で硬い竹材ということでは共通でしたが、芸能用の特殊な厚い扇骨加工所で筬羽用の0.3mmといった薄い加工は不可能で、筬羽並みの薄い扇骨加工を得意とする島根県の情報を得て連絡を取りましたら、今の扇骨は孟宗竹で薄羽に加工、粘り強く割れにくい真竹での扇骨は必要性がなく、加工技術的には可能でも素材的には期待はずれ、ただ希望すれば真竹を切り加工試験という返事で11月に島根を訪問し、竹筬が必要とする竹材の質を正確に伝え依頼しようと思います。


(2013.10.23 下村輝 記)




※次回の「絹通信#35」の掲載は4月号の予定です※






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