9月7日付で申請していました文化庁の平成23年度国宝重要文化財等保存整備費補助金の決定が10月初めに出ました。今回の事業名は文化財保存技術保存事業。文化財の名称は文化財の保存技術「竹筬製作・修理」および選定保存技術「杼製作」で、その目的は手機の必須の道具である「竹筬」の製作技術及び「杼」の製作技術を伝承し後世に伝えること。その内容は(1)伝承者の養成、(2)研修発表会、(3)記録の作成及び刊行、(4)原材料・用具の確保、(5)関連技術事業(杼製作技術の伝承者の養成)と多岐にわたり、国庫補助金額も600万円、その期待度の大きさに会員一同、心引き締め、心新たに日々研修に励み、期待に応えたいと思います。
10月号でお知らせしました当研究会の技術修得度はほぼ90%、今回の決定はあと少しの10%をがんばれとの国のあと押しだと思います。一番重要な竹材は最良の時、11月に入り京都の竹材店と充分打ち合わせ、切り出してもらいます。奈良の竹材は11月7日再度訪問し、良い竹材に育て、いずれ入手できる体制作りをいたします。最近の竹筬羽製作は豊田義雄さんによる一番きびしい大島紬用の基準で検査していただいており、なかなか合格がいただけない状況なのですが、会員の日々の研修を重ねることでクリアーできると信じております。
第6回の横浜展、第7回の地元岐阜展は、今回の補助金で開催、ぜひお出かけいただき、竹筬の現状と多くの皆様に試織していただいた織布も併せてご覧いただきたいと思います。
(2011.10.24 下村輝 記)
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