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(略称:竹筬研究会)
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 最近、竹材での流通のネットワークに新しい動きがありました。今までは竹材店から竹ベラを購入、それを竹林で切り出す職人の顔を見ることはできませんでした。竹筬羽に適した竹材を、竹材店を通し間接的でしか現場の職人さんに伝えてもらうことができず、直接話をして伝えることは不可能でした。それが1人の会員の努力により可能になり、丸竹の状態ではありますが、入手できるルートが地元の岐阜県で見つかりました。竹質の問題はこの職人さんとの話でクリアーできると思いますが、竹ベラに加工する新たな課題が生じました。

 良質で最適な竹材を入手することが大変困難になっている現状は「絹通信」で何度かお伝えしていますが、その要因は竹林に人の手が入って整備されていないこと、竹林が荒れていることです。その竹林より山竹で3年〜5年の真竹、節間35cm以上、表皮のキズのない、そしてシミのない、竹の組織の密なかたい竹を、虫の入りにくい11月から1月頃までに切り出せる竹切り職人さんの存在なくしては良質で最適な竹材の入手は不可能です。今まで入手できていた九州・福岡県の竹材店の竹材が、半数が幅不足やキズ・シミで良品といえるものは約50%、改善をお願いしても、最後のご高齢の竹切り職人さんという竹材店のお話し、改善ではなく、毎年悪くなっている現状です。その結果、現在は京都の竹材店、奈良のNPOの竹材、そして今回の岐阜の職人さんによる竹材の現物を購入し、竹筬羽として最適な竹材は竹ベラではなく、丸竹または長尺の竹ベラ状態で購入、竹ベラ加工は今のところ当研究会でということになっています。竹材店に加工を依頼する方法もありますが、九州の竹材にくらべ、1枚の糸ベラの価格が5倍になる現状です。

 そこで竹材加工機械の問題が生じます。幸いなことに今回出会えた岐阜県の竹切り職人・岡さんの紹介で山口県の竹材加工メーカーを訪ねることができました。そのメーカーの竹材加工機械部門は新しい機会の注文のない休眠状態、特別に加工製作した機械で武雄の編物針を加工する竹材加工部門が稼働しており、丸い棒針と薄い竹筬羽という形状の違いはあるものの、目指す精度、加工方法は工程上、非常に近く、「百聞は一見にしかず」で、有意義な一日でした。まずは丸竹を幅と厚みを指定通りにでき、二つ割りまで加工できる機械を発注、次は「竹剥ぎ機」による銑引きの機械化を再度、相談にのっていただき、機械化できるところは機械化して竹筬復活を目指したいと思います。



(2012.02.21 下村輝 記)
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