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(略称:竹筬研究会)
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11月、3泊4日で大分と福岡へ会員4名で行きました。会員の西尾一三さんが挑戦されている、鯨寸間39羽と筬密度は粗い竹筬なのですが、その絣技術の精密度から竹筬の精度も要求される重要無形文化財久留米絣技術保持者会の松枝哲哉さんへの再度の竹筬納品と角浦節子さんによる種糸台用竹筬の納品。大分の竹工芸支援センターでは筬羽引きの機械引き化のための参考機械と情報の収集。福岡の竹材店へは竹材の割れに関する問題の解決。そして久留米絣技術保持者会の皆様方と市役所の会議室での竹筬情報、実技、問題点、現状、後継者などを映像を含めて意見交流会を持ちました。松枝さんには以前から試作竹筬で織布試織をしていただいて、問題点も指摘いただき、より完成度の高い竹筬を目指して努力された西尾さんの竹筬を納めました。今までの試作竹筬で試織していただいた竹筬で、筬羽の割れが生じた竹筬が3点、その原因も特別会員の元・職人、豊田義雄さんの指摘で解明できており、今後の竹筬は筬羽段階での義雄さんの厳しい検査で合格した筬羽を使用しての試作筬や「製作・普及部」の竹筬ですので、以前の試作竹筬の精度とは一段と違った、譲ることも可能な品質にも自身が持てつつある第一歩目の竹筬です。西尾さん、森田英史さんの筬羽はもう少しで義雄さんの検査を受けなくても自己検査でというレベルに近付きつつあり、角浦さんの新加入の方への研修で、次の人たちも育ちつつあります。研究会では、現在、西尾さんと森田さんに久留米絣と同様、高い精度を求められ、筬密度の高い越後上布、小千谷縮、宮古上布、そして旧・日本竹筬工業でも一番神経を使い製作されていた15.5ヨミの大島紬用の竹筬へと挑戦していき結果を出していきたいと思います。併せて「製作・普及部」の竹筬も譲れる体制へと進めていきたいと思います。岐阜の研修作業所には豊田亨さんより譲り受けました竹筬機械組み機である編整機が設置され、特別会員の大橋滋さん指導で小嶋さん主体に可動に向けて調整しています。竹筬の現在・現状・未来を知っていただく上で2月26日からの東京展、是非ご覧いただきたいと思います。

(2009.12.18 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2010年2月号より
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