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(略称:竹筬研究会)
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昨年3月、日本で唯一の竹筬羽の生産地で、竹筬研究会の研修場所である岐阜県穂積町(現・瑞穂市)での第1回「試作竹筬による織布展」より約1年、昨年9月には沖縄で2回目、そして今回の2月、東京・八王子市での3回目の竹筬と織布展、研究会の活動は一歩ずつ前進し、竹筬復活に近づきつつあると実感しております。昨年3月、当研究会の実技の講師、旧・日本竹筬工業で唯一の筬羽引きの職人さん、豊田陸雄さんが亡くなられ、筬羽引きを直接指導していただけることは出来なくなりました。しかし、約6年間の指導の結果、数人の会員が不十分ながら技術を引き継ぎ、次の世代に引き渡す事が可能になり、研修を実施しております。沖縄展までの試作竹筬の精度が充分かと申しますと、約20枚の試織結果は、3枚の筬羽割れが生じ、試織していただいた方にご迷惑をおかけいたしました。その後の試作竹筬は同じ日本竹筬工業で1400と精度の高い竹筬羽をご自分で設計された筬羽引きの機械で製作されていた唯一の職人さん、豊田義雄さん。現在94歳ながらお元気で、会員が製作した羽切り前の竹筬の検査を義雄さんの精度と厳しいチェックと助言をいただき合格した筬羽のみ、試作竹筬や将来に向けて譲ることを前提の「製作・普及部」製の竹筬として製作、それまでの試作竹筬とは一段レベルアップした安心してご使用いただける竹筬に近づきつつあります。そして次なるステップの第一歩として、絣の精度を要求される久留米絣に挑戦し竹筬を納品し、試織をお願いしております。そして今後は小千谷縮・越後上布用の竹筬に挑戦、さらに芭蕉布・宮古上布・大島紬用の竹筬へと順次挑戦し、試織をお願いし、5反10反と問題が生じなければ、形だけの竹筬ではない使用に充分たえる竹筬が復活したといえ、現在試織をお願いしている方、そして賛助会員として以前より応援していただいている方、そして竹筬をご希望になっておられる方々へと竹筬研究会の「製作・普及部」製の竹筬として譲っていければと考えております。
 筬組みは瑞穂市の研修所に日本竹筬工業の豊田亨さんの機械組み用の編整機が設置でき、日本竹筬工業のもう一人の機械組み職人さん、大橋滋さんの指導で若い金筬職人の小嶋孝幸さんにその技術を伝授していただいており、その完成度は格段に進歩しています。あとはこの機械組みにたえうる精度の高い竹筬羽をいかに多く製作できるか、それが譲れる竹筬の第一歩目と考えております。東京展が終わりましたら、豊田義雄さんが実行された筬羽引きの機械化に再挑戦し、筬羽の機械化を是非実現するために活動したいと思います。

(2010.02.21 下村輝 記)

染織と生活社『染織情報α』2010年4月号より

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